脳震盪の再発を防ぐためには?青木選手の3度目のDL入りから考える!

青木選手が脳震盪の再発により3度目のDL入りをしてしまいました。そもそも青木選手が脳震盪になってしまったのは、8月9日のカブス戦で149kmの速球を頭部に死球を受けてからでした。

翌日の10日の脳震盪テストではパスしたのですが、12日にめまいの症状を訴え2度目のDL入りをしました。

そして9月13日に3度目のDL入りをすることになってしまいました。症状が慢性化しすると今後の選手生命にも大きく影響を及ぼしてきます。

メジャーリーガーではありませんが、アメリカンフットボールのスターだった、Chris Borland選手は24歳の若さで脳震盪が原因で引退をしています。

そもそも脳震盪と言うのはどのような症状なのでしょうか?INTERNATIONAL RUGBY BOARDのガイドラインを読みながら考えていきたいと思います。

脳震盪の症状

まず冒頭の1ページ目にはこのように書いてあります。

脳震盪に関して
• 脳振盪は、脳の外傷である。
• 脳振盪はすべて、深刻なものである。
• 脳振盪は、意識消失を伴わずに起こることもあり得る。
• 頭部外傷の後、なんらかの症状があるアスリートはすべて、プレー、または、練習を止め
させて、また、すべての症状が消えるまで、活動に戻ってはならない。
• 特に、脳振盪の疑いがある日にプレーに復帰することは禁じられている。
• 確認して止めさせることは、よりひどい外傷や死亡に至ることを防ぐことになる。
• 脳振盪が原因で死亡することがある。
• 脳振盪のほとんどが、身体的および精神的な休養により、回復する。

INTERNATIONAL RUGBY BOARDガイドラインより引用

脳震盪は、脳の外傷で深刻なものと書いてあります。

青木選手の場合、直後は大丈夫だったのですが、数日後にめまいのような脳震盪の症状が出現しています。

では脳震盪の症状についてもう少し詳しく見ていきましょう。これはプレイヤー自身の主観的な症状と、周囲の人からみる客観的な症状に分けれます。まずは客観的症状からみてみましょう。

目に見える脳振盪の手がかり – プレーヤーに認められるもの
以下のうちの1つ、または、それ以上の目に見える手がかりがあれば、脳振盪の可能性がある
• 放心状態、ぼんやりする、または、表情がうつろ
• 地面に横たわって動かない / 起き上がるのに時間がかかる
• 足元がふらつく / バランス障害または転倒/協調運動障害(失調)
• 意識消失、または、無反応
• 混乱 / プレーや起きたことを認識していない
• 頭をかかえる / つかむ
• 発作(痙攣)
• より感情的になる / ふだんよりイライラしている

INTERNATIONAL RUGBY BOARDガイドラインより引用

次に主観的な症状です。

脳振盪の症状 – プレーヤーから訴えられるもの
以下のうちの1つ、または、それ以上の兆候や症状があれば、脳振盪の可能性がある
• 頭痛 • めまい
• 意識混濁、混乱、または、動きが鈍くなったような感じがする
• 視覚障害 • 吐き気、または、嘔吐感 • 疲労
• 眠気 / “霧の中”にいる感じ / 集中できない
• “頭が圧迫される感覚”
• 光や音に過敏

INTERNATIONAL RUGBY BOARDガイドラインより引用

いかがでしたか?スポーツをしていたことのある方でしたら、思い当たる症状もあるのではないでしょうか?青木選手の場合、この症状が長く続いています。もう受傷してから1ヶ月程経過しようとしていますが、まだ脳の外傷が改善していないことが考えられます。

脳震盪のリハビリテーション

基本的に再発してしまうようだと、治療としては安静が第1選択となります。その後はリハビリテーションになります。リハビリテーションプログラムについてはこのようなプログラムになります。

脳震盪リハビリプロトコール
INTERNATIONAL RUGBY BOARDガイドラインより引用

青木選手は2度目も3度目も7日間のDL入りとなっていますが、順調に経過すれば7日間でこのリハビリテーションプログラムを終了することができます。

しかし、今回は2度目の再発でより、前回よりもより慎重にリハビリテーションが進められることが考えられます。

青木選手の今後の選手生命を考えても、焦らず、もう今年のシーズンは試合に出場しないというのも1つの選択だと思います。