
あさが来たの視聴率が絶好調ですね。初週から9週目まで20%台をずっとキープしており、かつ視聴率が右肩上がりにあがっている例はここ最近の朝ドラではありません。まずその凄さをデータで簡単にご説明していきます。
過去の朝ドラとの比較
あさが来た
1話平均最高視聴率:25.8%
最高週間平均視聴率:24%
最低週間平均視聴率:20.2%
20%超え週の数:9/9週
まれ
1話平均最高視聴率:22.7%
最高週間平均視聴率:21%
最低週間平均視聴率:18.1%
20%超え週の数:5/26週
マッサン
1話平均最高視聴率:25.0%
最高週間平均視聴率:23.5%
最低週間平均視聴率:19.1%
20%超え週の数:21/26週
いかがでしょうか?特に前作まれと比較してみると、その差が歴然として分かります。特にすごいのは全ての週において20%を超えており、まだ右肩上がりに視聴率が伸びている点です。
更に25.8%というのはここ最近では花子とアンの25.9%に次ぐ記録となっています。しかし花子とアンも、84話と14週目での達成となっており、10週目でここまでの視聴率を記録することはすごいことです。
それでは次に、なぜここまで高い視聴率を保てるのかということについて分析しています。
1 脚本家大森美化さんの存在
あさのモデルとなっているのは広岡浅子さんと言う実在する人物が描かれています。もちろん作中の話と実際の話では異なっている部分も多いのですが、炭鉱、銀行、大学などに関わったのは事実です。
原作となった土佐堀川を普通に描いたら、朝ドラには向かない、とても固い話になってしまうところを、脚本家の大森美香さんは遊びの要素をいれつつ、面白い話に仕立て上げています。
大森美香さんは過去に映画ではデトロイトメタルシティや宇宙兄弟、ドラマでは里見八犬伝などの作品を手掛けており、コメディからドラマまで幅広いジャンルのヒット作品を生み出してきました。
あさが来たは、面白い場面から泣ける場面、また時にはシリアスな場面まで、バランスよく描かれており、まさに大森さんのこれまでの集大成といった作品に仕上がっています。
2 ダブルヒロインの演出
広岡浅子を演じる波瑠さんは、真直ぐで純粋だけども芯が強い女性を演じています。波瑠さんの、何かとぼけた表情が何とも言えないかわいらしさで、純粋さがとても伝わってきます。
また、正しいと思ったことは曲げない芯の強さ、男性の前にも臆さない態度は、リーダーとしての姿勢であったり、強さと言ったことが非常に伝わってきます。環境を変えていってしまうその姿勢は、明日も頑張ろうという活力を与えてくれます。
ただ、波瑠さんの単独のヒロインだったらここまで共感を呼ぶことは出来ないと思います。
あさの姉、はつを演じる宮崎あおいさんが波瑠さんを引き立てているのです。
はつは、おっとりした性格で、何事も器用にこなし、環境に対して自分の立ち振る舞いを変えられる女性。これはまさに、日本人女性らしさを演じており、ここに共感を覚える方が多いのではないでしょうか?
どちらが良いか?という事ではなく、対極のタイプの女性をダブルヒロインと言う形にしたのが、非常に分かりやすく、より多くの視聴者の共感を呼ぶ形になったのだと思います。
現代社会では、男女平等という言葉がより当たり前になってきて、波瑠さんが演じるあさのような強い女性も増えています。しかし、はつさんのような器用だけどもおっとりとした性格が故に、環境に振り回されて、苦しい思いをしている女性もたくさんいます。
この2人が共存することで、非常にバランスのとれたストーリーになっていることが分かります。
3 前作まれとのギャップ
皮肉にも前作とのギャップも人気を引き立てる要素になっているようにも思えます。まれよりも面白かったというコメントをよく見かけますし、私自身も正直そのように思っています。
これはヒロインの設定が曖昧だったことに尽きると思います。まれでは、1人のヒロインの中に様々な要素を組み込みすぎてしまったように思います。
まれが何をしたかったか分からない…ぶれぶれ…という表現がまさに合っています。
あさが来たでは、ダブルヒロインにしたことで、分かりやすいキャラクターの設定となっており、あさ、はついずれのヒロインにも共感を得やすくなっているのだと思います。
また、演じている波瑠さん、宮崎あおいをはじめ、玉木宏さん、子役のなど鈴木梨央ちゃんなど実力派ぞろいというところも大きいですね。
最初のあさの子供時代の掴みも良かったと思います。
まとめ
いかがでしか?全てのタイミングが良かったあさが来た。まだ折り返しにもなっていないのにこの面白さですから、これからも期待が出来ますね。
今後はあさは出産、銀行、大学と展開されていくと思われますが、はつの今後や、ふゆの動向なども見ものです。