羽生結弦のNHK杯2015の結果と得点の凄さを分析してみた。

NHK2015杯が本日終了しました。羽生結弦が圧倒的な強さで優勝をしました。これでグランプリファイナルの出場が決定しました。グランプリファイナルは2015年12月11日~13日にスペインバルセロナで開催されます。

この記事では、羽生結弦選手のNHK杯2015の結果が、どれ程すごいものかを分析してます。

ショートプログラムの結果

羽生選手はショートプログラムの第2グループの最終滑走での演技でした。

第1グループのショートプログラムでは中国の18歳の期待の新星である金博洋選手が、今シーズン世界最高の95.64点をマークしました。この結果をみて、羽生選手は絶対に越えてやると思ったそうです。

この発言からしても、自信と王者の余裕が感じられます。羽生選手は今大会で、4回転サルコウと4回転トーループの2つの高難易度の4回転ジャンプを入れる演技構成にしてきました。実は今大会の前のカナダ大会ではショートプログラムでジャンプを失敗し、総合でも2位に終わっていたのですが、NHK杯ではより難易度の高い、挑戦的な演技にしてきたことには本当に驚きでした。

ショートプログラムでの4回転2回がどれ程すごいことかを説明したいのですが、過去にショートプログラムで4回転2回を成功させて選手は3名しかいません。

2010年 ケヴィン・レイノルズ(カナダ)

2013年 マキシム・コフトゥン(ロシア)

2015年 金博洋(中国)

ただこの3選手は連続の4回転ではありません。羽生結弦選手は何とNHK杯で4回転、2連続のジャンプを成功させて、世界最高得点となる106.33点を記録したのです。ちなにもこれまでのショートプログラムの歴代最高得点の上位選手は以下の通りです。

第1位 2013年 羽生結弦(日本) 103.10点

*この大会以外にも歴代トップ3を占める得点を記録しています。

第2位 2013年 パトリック・チャン(カナダ) 98.52点

第3位 2014年 町田樹(日本) 98.21点

第4位 2015年 デニス・テン(カザフスタン) 97.61点

となっています。ようするに100点越えを記録していたのは羽生選手しかいなかったのですが、それを上回る特典でした。金選手の95点台も物凄いことなのですが、それを10点以上上回ってしまうのですから、本当にすごいですね。

フリーの結果

ぶっちぎりの1位でフリーに望んだのですが、フリーでも圧巻の演技でした。解説の織田さんと鈴木さんが顎が外れるかと思ったという位、次元の違う演技だったのです。

フリーの演技は、陰陽師の音楽に合わせて、和をテーマに滑りました。テーマはSEIMEIです。演技の何がすごかったのか?というと、4回転ジャンプを3回完璧に成功させ、その他にはトリプルアクセスなど難易度の高い技を完璧にこなしました。また普通最初に飛ぶ4回転のジャンプを後半にも成功させてしまうのですから、本当に綺麗な演技という事だけでなく、体力や精神力の強さも証明しました。

もう会場は羽生選手のリズムにあわせて全員が手拍子です。演技終了後はスタンディングオベーションで、もう優勝は演技が終えた瞬間に誰もが確信をしました。

そしてフリーの得点は、216.07点でした。これがどれ程すごいことかと言うと、これまでの歴代のフリーの得点をみれば容易に理解できます。

第1位 2013年 パトリック・チャン(カナダ) 196.75点

第2位 2014年 羽生結弦(日本)194.08点

第3位 2015年 デニス・テン(カザフスタン)191.85点

みれば分かる通り、200点越えは歴代でも初めてでした。もう圧巻の一言ですね。

総合得点の結果

羽生選手の最終得点は322.40点でした。もう頭に?がいくつも並ぶくらい次元の違う結果となりました。これまでの歴代の最高総合得点は、

第1位 2013年 パトリック・チャン(カナダ)295.27点

第2位 2013年 羽生結弦(日本)293.25点

第3位 2015年 デニス・テン(カザフスタン)289.46点

となっています。300点台超えは前人未到の快挙になりました。ちなみに記憶にも新しい羽生選手が金メダルを獲得したソチ五輪の点数は、280.09点でした。この演技から40点も加点されているわけですから、今も進化を続けていることが分かります。

ちなみにNHK杯の第2位の金選手の得点は金博洋選手で266.43点でした。これも歴代7位に入る好記録でしたが、約60点差をつけてしまうのですから、別次元ですね。

まとめ

羽生選手は演技終了後のインタビューでこのように答えていました。

「絶対に、やってやろうという思い、自分自身にプレッシャーをかけ、絶対王者という自負を持って演技をしました。」*これは一語一句が正確な訳ではありません。

また解説の織田さんが

「あごが外れるかと思った」

とコメントしています。

本当に別次元の記録を残した羽生選手。コメントからもその自信が伺え、周囲にも有無を言わせない結果を残しました。しかし、これも血のにじむ努力があったと自分で言われていました。

どこまで記録が伸びるか分かりませんが、2015年12月11日~13日に開催されるグランプリファイナルも期待されます。